2021年10月25日

トラウマの定義

Twitterで、トラウマっていうのは、
「生死に関わるような極限状態から来るもの」
  
っていう解説があり、
  
私の定義とは違うので、
改めて「トラウマの定義」について深掘りしてみました。
  
  
確かに、文部科学省の解説では、
  
「地震や戦争被害、災害、事故、性的被害など、
 その人の生命や存在に強い衝撃をもたらす出来事を
 外傷性ストレッサーと呼び、
 その体験を外傷(トラウマ)体験と呼ぶ。」
  
と書かれています。
  
  
そして、PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、
  
ショッキングな出来事などの後に、持続的に
フラッシュバックなどの後遺症に悩まされている状態ですね。
   
  
ある別の心理の専門家は、
  
トラウマの事を「ネガティブな体験と感情に紐づく記憶」
と表現してたり、いろんな捉え方がある様です。
  
  
そして、一般的な人々の感覚だと、
  
・子供の頃に犬に襲われて、
 それ以来、犬がトラウマになったとか、
  
・人前で発表して笑われた経験から、
 それ以来、人前で話すのがトラウマだとか、
  
そういう表現をします。
  
  
そもそも、トラウマとはギリシャ語で「傷」を
意味していたらしいですが、
  
トラウマを精神的な意味で使い、それが広まった理由は、
精神分析をやっていた「フロイト」の影響らしいです。
  
  
とりあえず、学術上や精神医療の場では、
  
「重度な出来事や症状」に対してのみ
トラウマという表現を使うという事ですね。
  
  
まぁ、こういうのって、科学や哲学でも同じですけど、
  
「どこからどこまでを科学と呼ぶのか?」っていうのは、
人によって定義が違いますからね。
  
  
狭義と広義で、大きく意味が異なることも良くあります。
  
  
まず、その定義の「相互理解・すり合わせ」をしないと、
話が噛み合いません。
  
  
ただ、トラウマに関しては、
  
学術上、一般的も含め、
全ての捉え方に共通するポイントは、
   
【 過去に遭遇した「ネガティブ感情」を伴う経験が、
 それ以降も「身体・思考・感情・判断」などに対し、
 ネガティブな影響を及ぼし続けている 】
  
という事です。
  
  
私がトラウマという言葉を用いるときは、
学術上の意味合いよりは、「広義の意味」で使います。
  
一般的な人が使う意味合いと同じです。
  
  
一方、「科学」という言葉を用いるときは、
狭義の意味(自然法則の解明)の方で使います。
  
  
  
私が初めて「トラウマの仕組み」に気づいたのは、
今から14年前の、当時自分が24歳くらいの頃ですね。
  
  
例えば、自分に「嫌な思い出」があったとして、
  
・今思い出しても、嫌な気持ち(感情)が沸かない思い出と、
・今思い出しても、嫌な気持ち(感情)が沸いてくる思い出と、
  
2種類あって、その違いは何なのだろう?という、
  
純粋な疑問と好奇心でした。
  
  
その違いを分析しているうちに、
   
・感情というのは、感じて、発散すると消える。
・その場で感じて発散させなければ、潜在意識に溜まっていく。
  
という、シンプルな「感情の性質・メカニズム」を発見しました。
  
  
そして、発散させていないネガティブ感情が、
トラウマの正体であるという事にも、すぐに気づきました。
  
  
さらに、過去に発散させていないネガティブ感情が、
現在の思考に影響を与えるメカニズムも、すぐに理解できました。
  
(その部分は、書くと長くなるので、この場では割愛します)
  
  
「学術上の定義」とは違うかもしれませんが、
わざわざ新しい言葉を作るのも面倒なので、
  
一般的に普及しているトラウマという言葉を使うのが便利なので、
そういう言葉を使っていますけどね。
  
  
結局、感情の性質やメカニズムを理解できていない、
現代の「学術界隈の心理学」では、
  
トラウマの正体を掴むことも出来ませんし、
「的を射た定義」を設定することも出来ないでしょうけどね。
  
  
トラウマについて議論になったとき、
互いの定義が違っていると、話が噛み合わないので、
  
その「前提共有」や「アンサー」として、
この記事を書いておく事とします。


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