2019年11月08日

営業の使命

私はあまりテレビ見ないですけど、
  
先日偶然、テレビを付けていて、
NHKの「ルソンの壺」という番組を観ました。
  
https://www4.nhk.or.jp/P2668/68/
  
  
関西企業を取材する番組みたいですが、
  
「サラヤ」と「関西ペイント」という企業の、
アフリカでの取り組みが特集されていました。
  
  
サラヤは、現地の材料を使って、
アルコール消毒液を開発。
  
関西ペイントは、
蚊が寄り付かないペンキを開発。
  
  
院内感染を防いだり、
蚊を媒介としたマラリアの蔓延を防いだり、  
  
両方とも、病気で苦しむアフリカの人々の命を救うような、
素晴らしい発明品でした。
  
  
しかし、素晴らしい商品を生み出したとしても、
やっぱり初めは売れない。
    
  
アフリカの人々にとって、「初めて見るモノ」だからです。
  
  
日本人にとってアルコール除菌は当たり前ですが、
  
アフリカでは水自体が貴重なので、
そもそも、「手を洗う文化・習慣」自体が無かったのです。
  
  
どちらも、「めちゃくちゃ価値のある商品」って事は、
開発している側はわかっている。
  
  
だって、【 命が救われる商品 】ですからね。
  
  
でも、アフリカの人々は、その価値が分からない。
  
  
その価値を伝えるのが、営業の役割です。
  
  
で、営業努力の末、
  
アルコール消毒液は、
ウガンダの病院でシェア9割以上を獲得。
  
蚊を防ぐペンキは、公共事業に採用されるなど、
信頼を得て、成果が出ている…
  
というのが、番組の内容でした。
  
  
素晴らしい商品を扱うのであれば、
  
後は、【 正確に説明するだけ 】で売れるのです。
  
  
何も、無理して売ろうとしなくて良い。
  
  
営業を「売る仕事」だと思っている人は多いでしょうし、
私もそれを否定はしません。
  
  
ただ、私の思う営業とは、厳密には売るのではなく、
  
【 正確に説明し、相手に伝える、理解させる 】
    
という役割に尽きると思います。
  
  
絶対的に価値のある商品であれば、
  
伝われば、相手から欲しがられますし、売れていきますからね。
  
  
売ろうとする必要など、全くない。
  
  
価値の低い商品を、無理やり高値で売ろうとしたら、
  
それは悪徳商法です。 詐欺です。
  
  
判断力の低下した年配の人に、
  
無理やりに高級羽毛布団とか、
金融商品を売りつけるのと一緒です。
  
  
でも、本当に素晴らしい商品・サービスがあるなら、
  
あとは、【 自信満々で価値を説明するだけ、伝えるだけ 】です。
  
  
アフリカの人々に、価値が伝わったから、
  
アルコール消毒液も、蚊を防ぐペンキも売れるのです。
  
  
「相手が初めてみるモノ」を売るのは、多少大変です。
  
信頼性がありませんからね。
  
  
でも、実際に価値が高いにも関わらず、
伝わりにくい商品の価値を伝えるからこそ、
      
伝わった時に、大きなシェアを取れるわけです。
  
  
「アフリカの人々が、理解してくれないから…」
  
と言って、カンタンに売るのを諦めてたら、
相手も救えないし、こっちも儲かりません。
  
  
何の為に仕事をしているのかわかりません。
  
  
営業の役割は、【 自信満々で価値を正確に伝える事 】です。
  
  
商品力が高いなら、価値が伝われば勝手に売れます。
  
  
デキる営業マンは、
  
商品の価値を深く理解した上で、売ろうとせずに、
相手の立場に立った、中立的な説明に徹します。
  
  
デキない営業マンは、
商品の価値を理解していない癖に、無理に売ろうとします。
  
  
自分が「商品の価値」も理解していない癖に、
客からカネを取ろうなんて、仕事を舐め腐っています。
  
  
悪徳商法や詐欺と同じです。 
  
  
そりゃ、プロとして信頼されなくて当然、売れなくて当然。
  
    
売れない理由を、「客のせい」にする前に、
  
自分の能力や姿勢、態度を省みる必要があります。
    
  
アルコール消毒液が売れないのを、
  
アフリカの人々の無理解のせいにしていたら、
日々、病気で死んでいく人を見殺しにするも同然です。
  
  
【「価値を正確に伝える」という役割・責任を果たす 】のが、
  
営業の使命です。
  
  
  
《 補足 》
  
あと、補足しておくと、
  
ライバルが多い商品・サービスを扱っているなら、
営業マン自身が、独自の付加価値を提供するしかありません。
  
  
例えば、保険の営業マンなら、
保険の説明しかしない人なんて、まったく売れないでしょう。
  
人脈の紹介とか、他のこともいろいろやって、
普段から付加価値を提供しているから、
  
どうせ保険に加入するなら、この人にしようって思われるわけで。
  
  
結局、営業するのに価値は必要なのです。
  
口が達者なだけとか、意味がありません。


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