2018年07月02日

善意が人を救うとは限らない

巷には、「潜在意識を書き換える」と謳っている、
セラピストが大勢いると思います。
  
クライアントの手を握り、何かを念じる事で、
潜在意識を書き換えるというのです。
  
私も過去にそういう人を何人か見てきました。
  
  
私も、「潜在意識の状態を高める技術」を研究し、
それを使って自分を変えてきましたし、
  
その方法を体系化して他人に教え、
「他人の人生」も変えてきましたが、
  
「手を握って、念じて、書き換える…」
という方法を採用する事はありませんでした。
  
  
常に「最短最速・負担最小限の方法」を追求する私が、
なぜ採用しなかったのか?
  
  
そもそも、私は本当に人間の観念が変わったら、
どういう反応が起こるか?という事を経験で理解しています。
  
しかし、「書き換え系」の人のアプローチでは、
私が知っている様な反応は起きません。
   
   
「手を握って潜在意識を書き換える」と言っている人って、
  
目に見えない世界では何をしているんだろう? 
何が起こっているんだろう?
    
と気になったので、自分で実験・検証してみました。
  
  
やっぱり、何事も自分の体験を通さないと、
納得できないので。
  
  
それで分かったことは、
  
これは「一種の催眠術・洗脳だな…」という事です。
  
  
催眠術というのは、
  
他人の意識をボーッとさせて、
ある脳波の状態にして、顕在意識の働きを弱め、
  
その状態で、一時的に何かを思い込ませる技術です。
  
  
それはつまり、
  
【 潜在意識に事実を誤認させる 】という事です。
  
  
ですから、「潜在意識を書き換えた」のでは無く、
  
【 書き換わかったと思わせるだけ 】です。
  
  
やっている事は、
潜在意識の本心にヴェールをかけて覆い隠し、
  
一時的に、ニセの情報を思い込ませているだけです。
  
  
もっと言うと、
  
セラピスト側に依存させる様な想いを植え付けたり、
セラピストから良い事をしてもらえたと誤認させたり、
セラピスト側のネガティブなエネルギーが流れ込んできたり、
  
そういう事も有り得ます。 
  
  
セラピーを受けて、
自分にとって良い事をしてもらおうと思ったのに、
    
実際には、けっこう危険な事を
されている可能性も充分にあります。
  
  
私が見てきた限り、
潜在意識の書き換え系セラピストは、
  
キネシオロジーの筋力テスト…、
通称、オーリングテストを使って、
  
潜在意識の状態が変わったかどうか?をチェックします。
  
  
しかし、催眠術は「肉体の動き」にまで影響します。
  
「なぜか手が離れない…」とか、テレビでやってますよね?
  
  
ですから、催眠術で潜在意識に事実誤認をさせたら、
「筋力テストの反応」も変わって当然です。
  
  
潜在意識を書き換えて、筋力テストをして、
「ほら、書き換わったよね?」と言っても、
  
それは、催眠術で、
潜在意識を一時的に騙しているのと同じ状態です。
  
  
もし、催眠術の効果が「永続的、半永久的」であれば、
   
催眠術を使えば、
人をいくらでも成功者に出来るでしょう?(笑)
  
  
「お前は、何でも売れるスーパーセールスマンだ!」
  
って、催眠術を掛けて、その人を自信満々にさせて、
その人が一生涯、最高のセールスマンになれるんだったら、
  
既にどこぞの企業がやってるハズです(笑)
  
  
でも、いくら催眠術をかけて潜在意識を一時的に騙しても、
  
現実で生活をしていると、
何かが違うな…?と、徐々に勘づいてきます。
  
「実際の現実」と「思い込み」のギャップが大きくなって、
違和感が強くなれば、そこで催眠は解けてしまいます。
  
  
だから、催眠術で潜在意識にアプローチしても、
一時的なのです。
  
  
ポジティブな思い込みにしろ、
ネガティブな思い込みにしろ、
  
潜在意識の思い込みには、
その思い込みを支えるだけの根拠が必要です。
  
「根拠無き思い込み」を一時的に持たせても、
容易に崩れてしまうのです。
  
  
逆に、「本人が納得する根拠」がたくさんあれば、
それがたとえ真実で無くても、非常に強い思い込みになります。
  
潜在意識も、けっこうロジックで動いてますからね。
  
  
で、話はちょっと変わりますけど、
  
この世には、
ポンジスキームという投資詐欺があります。
  
出資を募り、初めのウチは高額な利子や配当を出して、
その投資話に信憑性を持たせて、
  
より多くの出資を募り、
一定以上の資金が集まったらドロンするわけです。
  
  
で、このポンジスキームは、紹介制で広まる事が多く、
  
先に「投資話(詐欺)」に参加した人は、
実際に高額な配当を受け取っていますし、
  
紹介者を出せば、
紹介料などのインセンティブがもらえるので、  
  
積極的に他人にその投資話を紹介する訳です。
  
  
で、宗教の勧誘も同じなんですけど、
教団運営者がいくら金に汚くて、腹黒くても、
  
末端で他人を誘っている人たちは、
本当に善意だったりするのです。
  
  
ポンジスキームだと知らずに、
投資話を他人に紹介する人も、
  
自分のやってる宗教に勧誘する人も、
  
【「相手の為にもなる」と信じている場合が多い 】です。
  
  
しかし、それがどれほどの善意だとしても、
  
実際には、空回りしている訳ですよね?
  
  
なぜか?
  
  
【 世・間・知・ら・ず・! 】 だからですよ。
  
  
無知だから、善意が空回りするのです。
  
  
子供に対して、「勉強しなさい!」と叱る親も、
  
「将来、子供に困って欲しくない…」という親心、つまり善意です。
  
  
でも、【 世間知らず 】だから、その善意も空回りしているのです。
  
  
よく、自己啓発の世界では、
  
【 潜在意識で夢が叶う! 】なんて言いますよね?
  
  
でも、潜在意識だけじゃダメですよ。
  
潜在意識は、
「自分がどういう状態になれば幸せになれるか?」
  
を知っていますが、
「現実の厳しさ」については、何も知りません。
  
  
「現実の厳しさ」を理解し、それを潜在意識に教えるのは、
  
【 顕在意識の役割 】です。
  
  
何が言いたいか?って言うと、 
   
【「現実」や「世間」 を知る 】って、めちゃくちゃ大事。
  
  
【 実際の「現実」や「世間」というモノ 】を知らない人は、
善意を持っていても、空回りしますし、
  
潜在意識が「理想」を思い描いても、
現実を知らなければ、実現する手段や道筋を立てられません。
  
  
「理想」は、潜在意識の役割。
「現実」は、顕在意識の役割。
  
  
その両方がタッグを組んで、ちゃんと機能してこそ、
理想を現実化できるのです。
  
  
「現実」や「世間」を知らないから、
  
・ポンジスキームに騙されたり、
  
・カルト宗教に騙されたり、
  
・手を握って念じるだけで、
 潜在意識を書き換えられると思っちゃったり…、
  
する訳ですよ(笑)
  
  
って事で、催眠術や洗脳によって、
  
潜在意識が誤認させられている可能性を考えると、
オーリングテストの結果は過信しないように。
   
  
催眠術をかけて、
潜在意識に事実を誤認させても、
  
実際の現実との乖離が激しければ、
現実が上手く運ぶわけがありません。  
  
  
実力以上の自信があることを、過信と言いますが、
  
「過信した状態」で、成功し続ける事はできません。
  
  
結局、自分の思い込みだけではなく、
【 自分の実力、世間、現実… 】こういう要素で、
  
生み出せる結果が決まってくるからです。
  
  
実力、世間、現実、真実…、
  
こういう客観的な要素に立脚しないと、
  
「思い込みだけ」で現実を何とかしようと思っても、
土台に無理があります。
  
  
例えば、自分の外見がブサイクなのに、
  
「私はこの外見のままアイドルになれる!」
と思い込もうと思っても、
  
それは、非常に難しい事です。
  
  
なぜなら、意識の世界には、
  
「集合意識」という、
複数の人間の意識の集合体があります。
  
  
個人の意識が、
その「集合意識」に逆らう事はできないのです。
  
自分の外見がブサイクのままアイドルになれたら、
「世間の人々の美的感覚をひっくり返した!」という事になります。
  
  
たった一人の思い込みのチカラで、そこまでの事は出来ません。
  
  
地に足が付いていないスピ系の人々は、
人間の意識で出来る事を、極端に過大評価しています。
  
意識次第で何でも出来ると思っているのです。
  
  
それは、例えるならば、
  
サッカーをプレイ中のサッカー選手が、
自分一人でサッカーのルールを変えようとしている様なモノです。
  
犯罪者が、法律を変えようとしているようなものです。
  
  
どんな事にでも言える事ですが、
  
人間が何をしようと思っても、
その時、土台となる「ルール」や「法則」があります。
  
  
人間は、そのルールや法則の中で動くことしか出来ません。
  
  
例えば、日本の法律は、
国民が選出した政治家たちが作ります。
  
政治家は、選挙に勝たないと政治家でいられませんから、
基本的に世論には勝てません。
  
  
ですから、法律というルールを変えるには、
先に「国民の意識(世論)」が変わる必要があります。
  
  
法律を作るのは、【 国民の総意 】です。
  
その総意に反して、たった一人の人間が、
勝手に法律を書き換える訳にはいきません。
  
  
「何が可能で、何が可能で無いのか?」
   
それは、顕在意識が理解すべき部分です。
  
  
世間知らずが故に、
その区別すら付けられない様だと、
  
現実を意図通りに運ばせることなど不可能です。
  
  
不可能な事は、不可能だと認識しないと、
  
不可能な事を「可能」だと思い込んでしまって、
【 無駄な足掻き 】を続けてしまいます。
  
  
催眠術や洗脳の類いで、一時的に潜在意識を騙しても、
  
その人の人生が永続的に良くなっていく訳ではありません。
  
  
現実の生活や人生を良くしてくためには、
  
【 現実、世間、真実 】に立脚し、考え、行動していく事が必要です。
   
  
たとえ、善意や良心からの行動であっても、
  
「現実」や「世間」を知らなければ、
他人に迷惑を掛けてしまう事になりかねないのです。
  
  
だからこそ私は、
  
【 客観的事実 】を常に知りたいと思って、探求するのです。


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