2018年04月07日

ショック療法

人間には想像力があり、
それは、どんな人にも備わっています。
  
「私、想像力が高くないし…」なんて事はありません。
  
  
・梅干しとレモンを口の中に頬張ることを想像して下さい。
  
・口の中が酸っぱい感じになって、唾液が出てきましたか?
  
  
これは、【 小学生でも知っている実験 】です。
  
  
  
じゃあ次です。
  
1.次のランチかディナーには、何が食べたいですか?
  または、今すぐ飲みたい物はありますか?
  
2.「食べたい食事」か「飲みたい物」は決まりましたか?
  
  
これも、【 誰でも日常的にやっている事 】です。 
  
  
  
この2つの実験で解る事は、
  
両方とも「目の前に無いモノ」を想像して「感じている」し、
   
それは、【 誰でも日常的にやっている事だ 】という事です。
  
  
さらに、レストランのメニューの中から、
「食べたいモノを選んで注文する」という行為を分析すると、
  
1.いろんな料理を食べている自分を【 想像する 】
  
2.その料理がどんな味か【 感じる 】
   
3.様々な料理の味をイメージして、感じながら、
  【 シミュレーションして考え、ひとつに絞る、決断する 】
   
という事をやっている訳です。
  
  
特に、美味しい「食べ物」や「お菓子」が好きな人は、
  
注文内容を選ぶ際に、
「全力でリアリティある想像」を膨らませているでしょう。
  
  
これは、誰でもやっている事なので、
  
「自分には想像力が無い」なんて事はあり得ません。 
  
  
そういう言い訳は、たった今、封じられました(笑) 
  
  
私は、「言い訳を封じるプロ」ですからね(笑)
  
  
  
【 想像して、感じて、考える 】
   
このプロセスは、誰にでも出来る事です。
  
  
例えば、映画館に「映画を観に行く」にしたって、
  
なんで行くのか?って、「何かを感じたいから」でしょう?
  
  
スリル、恐怖、感動、ワクワク、切なさ…、
  
そういう感情を感じたくて、映画館に人は足を運びます。
  
  
映画を見て、「感じる事」よりも「考える事」が優勢の人は、
  
きっと、分析しようとしている映画監督か映画評論家です(笑)
  
  
でも、映画のプロだって、
一発目は「感じようと思って見る」でしょう。
  
2回目以降に、分析に入ると思います。
  
  
という事で、
  
映画を観て、何か感じることができる人も、
  
【「想像力」と「感じる能力」】に、問題はありません。
  
  
でも、いくらアメリカで銃の乱射事件が起きようとも、
  
そのニュースを見た時に、 
 
・「料理のメニューを選ぶ」ときのような、
・「映画を観るとき」のような、
  
そういう想像力を、【 わざと使っていない 】のです。
  
  
・自分には一切関係がない「対岸の火事」か、
・現実味の無い「フィクション」の様に思っているから、  
  
ネット上で「茶化したようなコメント」ができるのです。
  
  
例えば、私が最近よく使う質問に、
  
・目の前で知らない人がいきなり自殺したら、どう感じますか?
・学生時代の同級生が自殺したと聞いたら、どう感じますか?
  
というモノがあります。
  
  
実際にそういう事が起これば、
まず最初に、ショックを受けるでしょう。
  
そして、そのショックを落ち着いてきたら、
いろいろ考え始めるでしょう。
  
・本人はどのような苦痛を抱えていたのか?
・過去の自分はどうするべきだったのか?
・今後の自分はどうしていくべきなのか?
  
という事について、自然に想いが巡ると思います。 
  
  
私は過去に、「考える事の重要性」を説いてきましたが、
最近分かったことは、
  
人間は、
【 衝撃を感じれば、自動的に深く考え始める… 】という事です。 
  
  
感じていないから、考えていない訳なので、
  
まず最初にやるべき事は、「強く感じる事」なのです。
  
  
その為には、
  
・強く感じる何か?
・衝撃を受ける何か?
  
に出会う必要があります。 
  
  
例えば、統計上、
日本では毎日80人近くもの人数が自殺している訳ですが、
  
自殺のニュースをいくら見ても、
  
普通の人はニュースを見るときに
【 想像して感じる事 】をオフにしているので、
  
ショックを受けません。
  
  
でも、いきなり目の前で自殺されると、
強いショックを受けるわけです。
  
  
もし自殺のニュースを見たときに、
  
食べたい料理を選ぶ時の様な「想像力」を使っていれば、 
それなりに、ショックは受けるでしょう。 
  
  
でも、それをしない習慣が身に付いています。
  
  
なぜか? 
  
「悲しい気持ち、辛い気持ち」を避けているからです。
  
  
ニュースを見る度に、いちいちリアルに想像していたら、 
  
「自分の精神に多大な負荷が掛かるから」です。
   
   
でも、私はどんなニュースを見ても、
  
リアルに想像し、感じる様にしています。
  
  
自分の精神に負荷が掛かるとしても、 
 
【「想像して感じるメリット」を理解しているから 】です。 
  
  
そもそも、以前の記事に書いたような、
  
「建前で生きすぎて、
 無意識がパニックになっている人」は、 
  
完全な【 逃げ癖 】が付いています。
  
  
・苦痛から逃げる。 
・苦痛を感じそうな事を事前に察知して逃げる。
  
そういう、習慣が身に付いているのです。 
  
  
そういう人は、
現実の生活で、なかなか苦痛に出会いません。
  
  
例えば、多重債務者の人で、
首が回らなくなっているのに、 
  
全然プレッシャーを感じていない人もいると思います。
  
  
そういう人は、
自分が「危機的な状況」に陥っているのに、
  
現実逃避をして、
「危機感を感じる事から逃げている」のです。
  
  
だから、根本解決など考えず、
目の前の借金を返すために、別の所から借金するのです。
  
目の前の苦痛から逃れるために、苦痛を先送りして、
「その場しのぎ」をするのです。
  
  
もし、まともな感覚を持ってしまえば、 
  
「返せるかどうかもわからないし、返せる自信が無い」
  
そんな【 絶望的な気分 】を味わう事になるでしょう。
  
  
でも、そんな「絶望的な気分」を先に感じて、対策を打てば、
まだ対処のしようもあるかもしれないのに、
   
ギリギリ追い詰められるまで逃げ続けて、
結果的に、手遅れの最悪な事態を招くことになるのです。
  
  
無意識がパニックになっている人は、
  
【 危機的状況におかれても、危機感を感じられない 】のです。
   
  
正確に言うと、
「危機感を感じたくなくて、無意識的に逃げている」のです。
  
  
そんな、「逃げ癖」が付いた人をまともな感覚に戻すには、
  
ショック療法しかありません。
  
  
「苦痛から逃げる癖」が付いていて、
それが現実逃避に繋がっているので、
  
【 逃れられない苦痛 】を与えなければ、
  
いつまでも、「まだ逃げられる限り、逃げ続ける」という
思考・行動パターンは変わりません。
  
  
でも、危機的状況の人が、
「もう逃げられない」と言う所まで追い詰められて、
  
「逃れられない多大な苦痛」を感じるときには、
大抵の場合、もう手遅れです。
  
  
だからこそ、先回りして、 
 
「イメージの世界の中で、苦痛を感じさせること」
に意味があるのです。
  
  
「イメージの世界で、苦痛を感じる事」と、  
「実際に自分の身を持って苦痛を感じること」は、
  
・アダルトビデオを見るのか?
・実際に異性と性行為をするのか? 
  
ぐらいの差があります。
  
  
それを、「快感」ではなく「苦痛」に置き換えてみて下さい。
  
  
相当な違いでしょう?
  
  
・実際に身を持って体感する苦痛…、
・イメージの世界で感じる苦痛…、 
  
それには、おそらく「20倍くらいの差」があります。 
  
  
先回りして苦痛をイメージ出来たら、
  
苦痛が「20分の1」に減って、
実際に身をもって体感する苦痛を避けられるのです。 
  
  
例えば、みなさんは
  
拷問で爪を剥がされるときって、
どれくらいの激痛か、だいたい想像できますか?
  
  
それがわかる人は、
  
・爪を切るときに深爪をしちゃったときとか、
・爪の隙間にトゲが刺さったときの痛みを知っているから、 
  
その痛みを拡大したら…?と、想像しているのです。
  
  
「小さな火傷(やけど)の痛み」を知っている人は、
「全身大火傷がどれくらいの激痛か?」も、イメージ出来ます。
  
  
だからこそ、
【「火」や「熱湯」の扱い 】には気を付ける訳ですよね?
  
  
自分の身体で苦痛を感じたことが無くても、
大きな苦痛が先回りしてイメージ出来るから、人は慎重になる訳です。 
  
  
苦痛をリアルにイメージしないって事は、 
  
【 火傷(やけど)の痛みを知らない幼児 】と同じです。
   
  
幼児は、「痛みを知らない」からこそ、
  
「危なっかしい行為」が出来るのです。
  
  
だから、「痛みを知る」って言うのは、 
  
人間が普通に生きて行くにも、非常に重要な事です。 
  
  
でも、普通の人は、 
  
【「孤独で貧しい老人」が、
 どれくらいの苦痛を感じながら老後を暮らしているか? 】
  
という事を、先回りしてイメージしていないでしょう?
  
  
「孤独で貧しい老人の苦痛」がわからないから、
  
【 そうならない様に、対策を考えながら生きよう! 】
  
って、思えないのです。
  
  
【 苦痛をイメージしていないから、考えられない 】のです。
  
  
【「他人」や「未来の自分」の苦痛 】をイメージする事は、
  
幼児が「火傷の痛み」を知るのと、同じ効果があります。
  
  
痛みを知るから、人は慎重になるのです。 
  
  
私は、他人の苦痛をイメージして、
感じるメリットを理解しています。
     
だから、多少の精神的負荷が掛かろうとも、
他人の苦痛をイメージし、感じるのです。
  
  
例えば、私がもっとも耐えがたいなと思うのは、
「拉致されて、10年近く監禁されていた人」の事件です。 
  
たまに、そういう事件が発覚しますけど、 
  
被害者の抱える苦痛を想像すると、
本当に耐えがたいです。
  
いつ出られるかもわからないし、もう出られないかもわからない。
死にたくても簡単に死なせてもらえない。
   
毎日、「不安」と「絶望」しか感じないでしょうね。
   
それが、10年近くも続くのです。 
  
想像を絶します。 
  
私は特に自由を好む性格なので、
そういう境遇になったら精神が崩壊しそうです。
  
  
私はそういうニュースを見ても、
  
食べたい料理を選ぶ時と同じように、想像し、感じているのです。
  
  
人間の持つ「想像力・感じる能力」には、問題ありません。
  
誰にでも備わっています。 
  
  
ただ、ニュースを見るときに、
そのスイッチをオフにしているというだけです。
  
  
私は、スイッチをオンにしてニュースを見ていますから、 
  
孤独な老人のニュースを見れば、
その人の気持ちを想像して感じるし、
  
いじめられて自殺した学生のニュースをみれば、
その人の気持ちを想像して感じます。
  
  
ネガティブな事ばかりじゃなく、
  
ドバイの大金持ちのニュースを見れば、  
その大金持ちの気持ちを想像して、感じます。 
  
  
あらゆる他人の気持ちを、想像して、感じるのです。
  
  
そうすれば、自然と思考が働きます。
  
  
・自分はどうなりたくて、どうなりたくないのか?
・自分はどうしたくて、どうしたくないのか?
    
  
自分の「情熱」や「本心」も少しずつ見えてくるでしょう。
  
  
  
人生を変えたければ、
  
【 いかに大きなショックを受けるか? 】です。
  
  
大きなショックを受けるから、人間は真剣に考え始めるのです。
  
  
ショックが、人生を変えるのです。
  
  
それは、実際に体験しなくても、
想像力を膨らませれば、イメージの世界で出来る事です。
  
  
実際に現実で苦痛を体験する前に、
イメージの世界で苦痛を味わってもらう。  
  
  
それは、非常に価値の高い事なのです。
  
  
無意識パニックに陥っている人を、まともな感覚に戻すには、
  
【 本人の想像力を発揮させて、イメージの世界でショックを与える 】
  
これが、必要なのです。
  
  
具体的には、
  
・目の前で人が自殺したらどう思うか?
・自分の過去親しかった人が自殺したらどう思うか?
  
そういう事から、リアルに想像して、感じてもらう事です。


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